Interviewインタビュー

「患者様の声に耳を傾け、チームで守る安心の歯科医療」岸本歯科・岸本大院長が目指す地域医療の未来

岸本歯科

院長 岸本 大

愛知県岡崎市明大寺本町、東岡崎駅からほど近い場所に位置する「岸本歯科」。長年地域の方々の歯の健康を守り続けてきた同院で、事業継承を経て院長を務めるのが岸本大先生です。口腔外科での経験を生かした専門性の高い治療はもちろんのこと、患者様一人ひとりと真摯に向き合うコミュニケーションを何よりも大切にされています。今回は、岸本大院長に歯科医師を志したきっかけから、医院経営における葛藤やこだわり、そして地域医療へ懸ける情熱について詳しくお話を伺いました。

地域に根ざし、チームで紡ぐ真摯な歯科医療。岸本歯科・岸本大院長が語る患者様とスタッフへの想い

歯科医師を目指した原点と歩み

—まず始めに、岸本先生が歯科医師を目指されたきっかけについてお聞かせいただけますか?

実は最初から優等生で志が高かったわけではないんです。元々父が歯科医師としてクリニックをやっていたのですが、学生時代の自分は迷惑ばかりかけていまして。そんな自分でも「一番の親孝行は父親の後を継ぐことだ」と考え、一念発起して歯科医師の道を志しました。

—大学卒業後は口腔外科に進まれていますが、その理由は何だったのでしょうか?

父自身がもともと口腔外科の出身だったということが一番大きいです。父の後を追って歯科医師を目指した以上、まずは同じ専門領域である口腔外科を専攻するのが自然な道だと考えて選択しました。

—専門分野を学ぶ中で、ご自身の思い描いていたキャリアプランはありましたか?

自分の中では、大学病院の口腔外科で5〜6年ほど専門的な知識と手技を学び、その後に一般歯科で一般的な歯科治療をしっかり修得して、35歳くらいで父の跡を継ごうという具体的なイメージを持っていました。

継承開業の決断と地域のニーズ

—その後、2010年に「岸本歯科」に予定よりも早い継承となった経緯を教えてください。

本当は一般歯科の修行も長くやる予定だったのですが、父からの強い働きかけもあり、口腔外科を離れて1年余り一般歯科で修行したタイミングで跡を継ぐことになりました。当時は思い描いていたスケジュールより早まり戸惑いもありましたが、結果的に患者様にも恵まれ、あのタイミングで継承できて本当に良かったと感じています。

—継承開業の際、他の場所や診療科目での開業は考えなかったのでしょうか?

診療科目に関しては迷いなく歯科・口腔外科一筋でした。場所については名古屋などの都市部も少し頭をよぎったことはありましたが、やはり父が長年築いてきてくれた地域での盤石な地盤を無駄にしたくないという強い想いがあり、事業継承を決意しました。

—「岸本歯科」が位置する岡崎市という土地柄や立地について、どのような強みを感じていますか?

岡崎市内で特急や快速電車が停車する主要な駅は2つしかありませんが、当院はそのうちの1つの駅から非常に近い場所にあります。都市部のようにどこにでも駅があるわけではない地域だからこそ、交通の便が良く通いやすい立地であることはクリニックとしての大きな強みだと実感しています。

患者様への誠実な姿勢とチーム医療

—不安を抱える患者様に対して、どのような工夫や配慮をされていますか?

処置の前に丁寧な説明を行い、恐怖心や疑問をできる限り取り除いて納得していただくことを徹底しています。当院の最も重要な理念として「患者様とのコミュニケーション」を掲げており、患者様が理解し納得されない限り絶対に治療を強引に進めることはしません。

—スタッフの方々とその理念を共有し、チームとして医療を提供するために意識されていることはありますか?

院長である自分自身が、患者様に対して誠実に接する姿を普段から診療現場で見せ続けることが一番大切だと思っています。言っていることと実際の態度が違えば誰もついてきてくれませんので、姿勢で示すことを常に心がけています。

—スタッフの教育や院内での意識共有はどのように行われていますか?

月に1回は必ず全体ミーティングを行い、患者様目線の対応について繰り返し伝えています。また、定期的に外部から講師の先生をお招きして講習会を開き、最新の知識や新しいエッセンスをスタッフ全員で共有してレベルアップを図っています。

時代に合わせた組織変革とメッセージ

—先代からクリニックを引き継いだ後、経営や組織づくりで苦労された点はありましたか?

父親世代の治療技術や想いには素晴らしいものがありますが、一方で時代の変化に伴い、そのままでは現代の医療や労務に合わない部分も出てきます。昔ながらの感覚的なやり方を整理し、組織として言語化してスタッフ全員に共有していく過程には非常に苦労しましたし、今も模索を続けています。

—働きやすい環境づくりのために、具体的に取り組まれた改革はありますか?

かつて夜19時まで行っていた診療時間を、数年前に18時までに繰り上げ、さらに思い切って土曜日・日曜日を休診とする完全週休2日制(月〜金診療)へとシフトしました。スタッフが長く安心して働ける環境を作ることが、チームの質の向上、ひいては患者様へのより良い医療の還元につながると考えて決断しました。

—最後に、これから開業や事業継承を目指す若手歯科医師の方々へメッセージをお願いいたします。

歯科医療は絶対に医師一人だけでは成り立たず、スタッフやチームとともに作り上げていくものです。開業や継承を迎えると、技術面だけでなく組織づくりや経営など多くの壁にぶつかると思います。ですが、一人で抱え込まずに周囲や外部の意見に素直に耳を傾け、患者様やスタッフに対して自分自身の誠実な姿勢を示し続ければ、必ず良い組織と診療環境がついてきます。苦労も多いですがその分やりがいも大きいので、ぜひ強い信念を持ってチャレンジしてほしいですね。

Profile

院長 岸本 大

愛知県岡崎市にある「岸本歯科」院長。2005年に朝日大学歯学部を卒業後、2006年より愛知学院歯学部付属病院の顎顔面外科学講座にて専門的な研鑽を積む。2010年、父が開院した岸本歯科の事業継承に携わり、同院にて勤務を開始。一般歯科をはじめ、専門知識を要する親知らずの抜歯や小児歯科・小児矯正など幅広く対応。患者様との対話を最重視し、スタッフが働きやすい環境づくりにも力を注ぎながら、地域に親しまれるクリニック運営を行っている。

会社情報

医院名

岸本歯科

設立

2010年(継承)