Interviewインタビュー

「子どもの未来を共につくるパートナーへ」ユアクリニックお茶の水・杉原桂院長が語る、医療のゴールと組織のあり方

ユアクリニックお茶の水

院長 杉原 桂

千代田区神田駿河台に位置し、地域の子育て世代から厚い信頼を寄せられている「ユアクリニックお茶の水」。日々、多くの子どもたちとそのご家族に寄り添い、丁寧な診療を続けているのが、院長を務める杉原桂先生です。本インタビューでは、杉原先生が医師を志したユニークなきっかけから、沖縄での経験、診療において最も大切にしている「患者様のゴール」、長年の課題である集患や少子化への危機感、そして共に働くスタッフや未来の医療への想いに至るまで、じっくりとお話を伺いました。

「家族のように寄り添う医療」とこれからの小児科のカタチ。ユアクリニックお茶の水・杉原桂院長インタビュー

医師としての原点と歩んできた道のり

まずは、先生が医師を志されたきっかけから教えていただけますでしょうか。

実はきっかけは、高校生の時にSF小説がすごく好きだったことなんです。未来の技術にワクワクしていて、当時は「人間の夢を録画する機械を作りたい」と思っていました。そこから、脳神経外科などの分野に進めばそれが実現できるのではないかと考え、医学部を目指したのが最初のスタートですね。

医師になられた後、ご親族に医療関係者の方はいたのですか?

いえ、親族に医者は全くいなかったんです。だから、医学部に進むと決めたときは親から「とにかくお金がかかることだけはやめてくれ!」と釘を刺されましたね。それでも自分の意志を貫いて、結局この道に進むことになりました。

経歴を拝見すると、沖縄の石垣島でも勤務されていますが、こちらへ行かれた経緯はどのようなものだったのでしょうか。

それは本当に偶然のご縁でした。当時お世話になっていた教授から、「石垣島にある八重山病院の小児科医がいなくなってしまうから、至急、誰か人を出してくれないか」という打診があったんです。それで私自身が「行きます!」と自ら手を挙げて、現地へ赴くことになりました。

診療において最も大切にする「患者様のゴール」

現在、ユアクリニックお茶の水での専門領域や、具体的な診療内容について詳しく教えてください。

小児科、そして小児アレルギーを専門として、日々診療を行っています。もちろん予防接種や乳幼児健診、日常的な風邪などの診療が中心ですが、その延長線上で、赤ちゃんの頭の形を矯正する「ヘルメット外来」なども実施しています。

診療を行う上で、先生が最も意識されていることは何ですか?

一番意識しているのは、「その患者さん(ご家族)のゴールがどこにあるのか」を見極めることです。いくらこちらが正しい診断をして、正しい治療を提供したとしても、患者さんの求めるゴールを満たせなければ意味がありません。医学は技術ですが、最終的に患者さんに笑顔で喜んで帰ってもらえるかどうかが、プロの医療従事者として最も必要なことだと考えています。

患者様と接する際の心の持ち方についても、何か大切にされていることはありますか?

「自分の家族だと思って接する」ということです。自分の家族にしないような治療や対応は、目の前の患者さんにも絶対にしない。その一言に尽きますね。

これからの時代を生き抜く「戦略的な集患とIT活用」

患者数が伸び悩んでいた時期もあったとのことですが、そこからどのように集患を軌道に乗せたのでしょうか?

やはりWeb周りの対策です。最初はGoogleのリスティング広告などを活用していました。また、近隣に新しく耳鼻咽喉科ができるといった地域の医療環境の変化に合わせて、私たちの強みをどう打ち出すかを常に考えていましたね。

ホームページやGoogleマップの口コミ、SNSの運用もかなりこまめにされていますよね。

はい。実は私自身、過去にインターネットやWeb系の会社を立ち上げて経営していた経験があるんです。現在はその会社はやっていませんが、当時培ったSEO対策やホームページ制作のノウハウが、現在のクリニック運営にとても生きています。

ホームページはとても見やすく作られていますが、外部の業者に依頼されているのですか?

いえ、「Wevery」というホームページ制作のアシストサービスをベースに、基本的には自分たちで手作りしています。WordPress(ワードプレス)だと自由度が高すぎて運用が大変なのですが、このシステムは枠組みがしっかり決まっているので、新しいアイデアを思いついた瞬間に自分たちで即座にページを更新できるのが大きな強みです。

理想の医療を支える「組織づくりと人材育成」

スタッフの採用において、先生が工夫されていることはありますか?

求人サイトも使いますが、一番良い人材が集まるのは「リファラル(紹介)」ですね。今いる優秀なスタッフの知人や友人は、やはり同じように素晴らしい方が多いので、紹介経由の採用が組織を一番安定させてくれると感じています。

人材の教育について、クリニックとして取り組まれている具体的な方法はありますか?

トヨタの「星取り表(スキルマップ)」を参考に、やってほしい業務をすべて明文化してステップを設けています。「1ヶ月目までにこれを覚える」「3ヶ月目までにこれ」というように目標を可視化しています。これがないと、人によって目標を高く設定しすぎて「私はできない」と落ち込んでしまったり、逆に少しの達成で満足して勘違いしてしまったりします。私たちが求めている基準をしっかり文章化し、一人ひとりの伸びる方向に合わせて、無理なくステップアップできる仕組みを作っています。

最後に、これから開業を目指す先生方や、未来を担う医療従事者の方々へメッセージをお願いいたします。

自分が好きで得意、かつ患者さんに本当に喜んでもらえることを目指すのが一番良いと思います。「儲かるから」「楽だから」という理由で選んでしまうと、結局あとで心が保たなくなってしまいます。人生は思ったよりも短いです。あっという間に10年、20年が経ってしまいますから、なんでも本音で言い合えて、一緒に海外旅行に行けるくらい気の合うメンバーと、同じ志を持って進んでいってほしいですね。

Profile

院長 杉原 桂

1991年武蔵高等学校卒業。1998年昭和大学病院小児科医局に入局し、同小児科にて医師としてのキャリアをスタート。その後、千葉県こども病院新生児未熟児科、町田市民病院小児科を経て、2001年には沖縄県の県立八重山病院小児科に赴任。2002年国立相模原病院小児アレルギー科、2004年公立昭和病院小児科で研鑽を積む。2006年田村クリニック小児科院長、2007年多摩ガーデンクリニック院長を歴任。2015年より「ユアクリニックお茶の水」の院長に就任。2019年からは医療法人社団縁風会理事長、ユアクリニック秋葉原院長を務め、2025年に再び「ユアクリニックお茶の水」の院長として、地域医療と子育て支援に全力を注いでいる。

会社情報

医院名

ユアクリニックお茶の水

設立

2015年